Bossa Nova Songbook2
品番:RZCM-46215
¥2,857(税抜)
2009年7月8日発売
Produced & Arranged by Goro Ito
販売元 エイベックスマーケティングコミュニケーションズ
Info : commmons
ジョアン・ジルベルト、アントニオ・カルロス・ジョビン、そしてブラジル音楽を敬愛するボサノヴァ・デュオ naomi& goro。7枚目となる今作は、初のリオデジャネイロ録音。今のリオの最強のメンバーを迎え政策されたボサノヴァ・スタンダード集。
ジャキス・モレレンバウムも一曲ゲスト参加。ボサノヴァファンに、すべての音楽ファンに、まさに必提となるアルバムです。
「このブラジルでナオミ&ゴローのプロジェクトに参加することができて嬉しく思っています。遠く離れた国のそれぞれの文化が寄り添い、音楽を通じて兄弟のように一緒になれるということは、とても素敵なことだと思います。」
-Jaques Morelenbaum
ナオミ・アンド・ゴローが素晴らしいニューアルバムを完成させた。ボサノバナンバーだけでアルバムを作るのは選曲の面でかなり難しい作業だったと思う。しかし彼らは有名な曲とそれほど知られていない曲(たとえばThe Dolphin (Luiz Eca), Pica Pau (Ary Barroso) ,Seu Encanto (Marcos Valle).など)を絶妙のバランスで選択している。ナオミの柔らかな歌声、そしてゴローの的確なギターワークと繊細なアレンジメント(原曲のメロディーやコードチェンジに対する作曲家への誠意が伺える)が暖かな空気を生み出し、我々を快適な空の旅へと誘ってくれているかのようだ。
-マリオ・アジネー
1. Samba do Aviao(Antonio Carlos Jobim)
2. Seu Encanto(Marcos Valle)
3. Rosinha(Jonas Silva)
4. Coracao Vagabundo(Caetano Veloso)
5. Super Boots(Goro Ito)
6. Pica-Pau(Ary Barroso)
7. Dolphin(Luiz Eca)
8. Olha Pro Ceu(Antonio Carlos Jobim)
9. Chovendo na Roseira(Antonio Carlos Jobim)
10. Triste(Antonio Carlos Jobim)
11. Minha Saudade(Joao Donato and Joao Gilberto)
naomi & goro
Vocal:Naomi Fuse
Guitar:Goro Ito
Musicians
Piano:Itamar Assiere
Bass:Jorge Helder
Drums & Percussions:Rafael Barata
Flute, Flauta & Soprano Sax:Eduardo Neves
Flugelhorn:Vander Nascimento
Cello:Hugo Pilger
Cello:Jaques Morelenbaum (tr.1)
Recorded & Mixed by Duda Mello
Art Direction & Design:Ed TSUWAKI
Produced & Arranged by Goro Ito
< Bossa Nova Songbook 2 アルバム解説:中原仁> ボサノヴァをはじめとするブラジル音楽への深い愛と敬意と探究心に根ざしながらも、気張らず自然体で “東京発の音楽” を作ってきたデュオ・ユニット、naomi & goro。昨年の『Bossa Nova Songbook 1』に続く通算7枚目のフル・アルバム『Bossa Nova Songbook 2』は、初めてのブラジル・リオデジャネイロ録音だ。
ボサノヴァはリオ市の南部、コパカバーナやイパネマといった海ぞいのエリアで育まれた音楽で、曲にも歌詞にもリオの気候や風土、アッパーミドル・クラスのカリオカ(リオっ子)の生活感が色濃く反映されている。今日のブラジル音楽シーンでは、ボサノヴァは現在進行形の音楽ではなく古き良き時代のシンボルという位置づけになるが、それでもリオの南部エリアを歩いていると、"ボサノヴァな空気" を今でも感じることが出来る。
そんな環境の中で過ごしながらnaomi & goroが録音した『Bossa Nova Songbook 2』には、これまでのアルバムとは異なる空気、色彩、肌触りといったものがある。
いい意味で驚かされたのは、布施尚美さんの歌声だ。トレードマークのイノセントな “天使の歌声” に加え、歌詞の内容や歌詞じたいの音楽的な響きを表現する細やかな情感が身についた。それは尚美さんが、リオの街や人や自然や食べ物、周囲のブラジル人が会話するポルトガル語の響きまで、すべてを自分の中に受け入れた上で、素直に歌に反映しているからだろう。とても大きな何かをつかんだ、そんな確かな手応えがある。
そして演奏。これまでのnaomi & goroの音楽は “声とギター” によるミニマムな表現を軸に、曲によって適材適所で他のミュージシャン(楽器)が加わる形だった。それに対して今回は、伊藤ゴローさん(ギター、アレンジ)とブラジル人のピアニスト、ベーシスト、ドラマーからなるバンドのフォーメーションでの録音だ。しかも、ゴローさんと参加メンバーとは初共演ながら、まるで長年ずっと一緒にやってきたような、息もピッタリのアンサンブルを聴くことが出来る。もちろん共演者の力量も大きいが、彼らがゴローさんの音楽性に対し、共感と信頼をもって録音に臨んだからこそ生まれたアンサンブルと言えるだろう。
naomi & goroの音楽の新たなページを開いた『Bossa Nova Songbook 2』。それでは、素晴らしき共演者たちを紹介していこう。
ピアニストのイタマール・アシエレは、現在39歳。10代から活動を始め、ブラジル音楽におけるエレキ・ベースのイノヴェーターであり日本とも縁が深かった故ルイザォン・マイアのグループや、スタジオ・ミュージシャンのオールスター・バンド、バタコトに参加。また、多くの歌手のバックをつとめ、アレンジャーとしても活動し、レイラ・ピニェイロ、ホーザ・パッソスの来日公演にも同行した。彼のピアニストとしての豊かな才能をフルに味わえるアルバムは数少なく、そういう意味でも本作の価値は大きい。
ジョルジ・エルデルは、現代のMPB(ブラジリアン・ポピュラー・ミュージック)のNO.1ベーシスト。約15年間にわたってシコ・ブアルキのバックをつとめているベテランであり、マリア・ベターニア、カエターノ・ヴェローゾ、マルコス・ヴァーリ、ジョイスなど、数多くのビッグネームと共演。ジョイスやカエターノらのバンド・メンバーとして、何度も来日している。
ドラムスのハファエル・バラータは、今年で29歳ながら若き天才ドラマーとしてジャズ・サンバ畑を中心に活躍している。14歳でエリオ・セルソ(長年、日本でも活動し小野リサの音楽監督もつとめたピアニスト)のアルバム『ソーニョ・カリオカ』に参加して以来、多くのミュージシャンや歌手と共演。最近ではギタリスト/アレンジャー、マリオ・アヂネーのアルバム『ジョビン・ジャズ』(2006年)、日本人のジャズ・サンバ・ピアニスト、MIKAのアルバム(リオ録音)と日本ツアー(2006?2008年)にも参加した。ジョルジ・エルデルとの共演歴も長い。
この3人とゴローさんとのリズム・セクションに、曲によってさまざまなミュージシャンが加わる。中でもエドゥアルド・ネヴィス(フルートほか)は、ショーロやサンバからジャズまでワイドレンジな音楽性を備えた売れっ子の名手。マルコス・スザーノのバンドやエポカ・ヂ・オウロ(ショーロの名門グループ)のメンバーとして来日したこともある。
そして「サンバ・ド・アヴィオン」に参加したチェロ奏者、ジャキス・モレレンバウム。故アントニオ・カルロス・ジョビンのグループ、バンダ・ノヴァのメンバーであり、92年から2005年までカエターノ・ヴェローゾの音楽監督をつとめ、ブラジル映画の名作『セントラル・ステーション』の音楽も担当した。モレレンバウム2/サカモトに代表される坂本龍一とのさまざまなプロジェクトも記憶に新しい。
こうしたミュージシャンたちと一緒に、リオの空気に包まれて作り上げた『Bossa Nova Songbook2』。昨年の『1』は “アントニオ・カルロス・ジョビンの作品” と “ジョアン・ジルベルトのレパートリー” および “その両方” にフォーカスした選曲だったが、今回もその路線を踏襲しながら、さらに選曲の幅を広げている。